短期間で再発した扁桃周囲膿瘍

疾病名
扁桃周囲膿瘍

キーワード
咽頭痛嚥下困難扁桃周囲膿瘍

年齢
20歳代

性別
男性

主訴
咽頭痛

現病歴
8/25より咽頭痛あり。8/28に他院を受診。コロナ・インフルエンザ抗原陰性。Garenoxacin処方。改善乏しく8/29当院受診。

診察所見
両側口蓋扁桃腫大あり 左優位 扁桃周囲の腫脹なし 頸部腫脹なし 左顎下部の圧痛あり
経鼻ファイバーでは喉頭浮腫なし

検査結果
8/29溶連菌迅速検査:陰性
血液検査:CRP定量 17.65 mg/dL 白血球数 180 ×10^2/μL 血小板数 26.3 ×10^4/μL 尿素窒素 15.3 mg/dL クレアチニン 1.16 mg/dL

9/19
血液検査:CRP定量 8.00 mg/dL 白血球数 128 ×10^2/μL 血小板数 35.4 ×10^4/μL

検査結果
項目名 単位
尿素窒素(UN) 15.3 mg/dL
クレアチニン(CRE) 1.16 mg/dL
CRP(C反応性蛋白) 定量 17.63 mg/dL
血液一般検査 白血球数(WBC) 180 ×10^2/μL
血小板数(Plt) 26.3 ×10^4/μL

臨床経過
扁桃炎・左扁桃周囲炎と診断し、経口摂取が困難なため、入院での治療を勧めたが無保険であり費用などの面から拒否し、外来治療を希望。同日よりceftriaxon2g/day, clindamycin1200mg/dayで抗生剤投与。浮腫改善・予防目的に8/29のみPLS40mg投与。8/30は咽頭改善あり、経口摂取可能となった。抗生剤点滴は継続。咽頭所見としては右扁桃腫大が改善し、左扁桃の内側偏位が目立つ様になったが、疼痛所見が改善していたため穿刺せず経過観察。8/31疼痛が増悪。左扁桃周囲の腫脹が明らかであったため、キシロカイン1%Eにて局所麻酔して穿刺すると膿汁を4mL吸引。抗生剤点滴は継続。咽頭培養の結果はα-StreptococcusとNeisseria sp.であった。9/2受診時は症状、所見ともに改善。同日も抗生剤点滴実施し、9/3より内服治療とした。(AMPC/CVA375mg*3/day)9/5に再診予定であったが来院しないため電話連絡すると、症状改善得られているとのことだったため、いったん終診とした。
9/19再度左咽頭痛出現したため、受診。このときも左扁桃周囲の腫脹はそれほど目立たなかったが、前回の経過があるためキシロカイン1%Eにて局所麻酔して穿刺し、1mL程度の排膿あり。前回の膿瘍からの培養結果は抗生剤開始後だったこともあり陰性だったため咽頭培養を参考に前回と同様にceftriaxon2g/day, clindamycin1200mg/dayで抗生剤投与。9/19~21で抗生剤投与し、症状、所見の改善得られていたため9/22からは内服に変更(AMPC250mg*3+AMPC/CVA375mg*3 /day)。9/25の再診時は症状改善しており、咽頭所見も左右差ないレベルに改善していたため終診とした。


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