甲状腺乳頭癌の手術症例

疾病名
甲状腺癌甲状腺乳頭癌

キーワード
甲状腺癌甲状腺乳頭癌反回神経麻痺咽喉頭違和感甲状腺全摘

年齢
70歳代

性別
女性

主訴
喉の違和感

現病歴
6月中旬よりのどに違和感あり近医歯科受診。精査目的に6/8当院紹介受診。

既往歴
乳癌 10年前に手術

診察所見
経鼻ファイバーにて左声帯麻痺を認めた。(図1)頸部の触診で甲状腺に硬結あり。

検査結果
頸部超音波検査で石灰化を有する腫瘤を認めた。エコーガイド下細胞診で”Carcinoma”の診断。
画像検査所見:頸胸部CTにて甲状腺左葉に石灰化を有する腫瘤を認めた。リンパ節及び遠隔転移を認めず。(図2)PET-CTでもリンパ節及び遠隔転移の所見なし。(図3)

臨床経過
甲状腺癌cT4aN0M0 stageⅢと診断。手術の方針となった。7/28甲状腺全摘、両気管周囲郭清を実施。腫瘍は前頸筋と気管壁に浸潤を認めたため、前頸筋の合併切除を実施し、気管壁からはメスにてシェイブして切除した。POD1よりCa補充、甲状腺ホルモン補充。甲状腺ホルモンはチラージンS100μg/day。Caは乳酸カルシウム1gとアルファロールカプセル1μgで開始。POD1ではカルシウム7.9mg/dLと低値を認めたがテタニー症状を認めないためこのまま経過観察。その後もカルシウム値は7.9~8.5mg/dLと低値は認めたがテタニー症状を認めないため内服同量で維持。ドレーンはPOD4で抜去。術後経過良好でPOD7 8/4に退院。手術標本の病理検査で甲状腺乳頭癌pT4aN0M0と診断。退院後の通院では軽度の嚥下障害を自覚したが徐々に改善。カルシウム値は正常値が維持されたため乳酸カルシウム、アルファロールいずれも漸減終了。甲状腺ホルモンは採血データを見て適宜調整。

図表

図1

図2

図3


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ:

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です